月読書生猫日記

雑食オタクの色々感想文です

夢喰見聞

 


【作者】真柴真
【巻数】1~9巻+外伝1巻
【出版社】スクウェア・エニックス
【1巻初版】2002年7月
【9巻初版】2007年4月

【あらすじ】
喫茶、銀星館には、悪夢を食べてくれる、貘の蛭孤がいるという。
悪夢の原因を解き明かしていくことで、人の心理に迫る、ホラー+ミステリ風味のダークファンタジー
(短編連作)

 

こちらの記事は、以前公開していたブログに記載していた記事(2011年公開)をもとにしています。

何年経ってもとても好きな漫画です。

とても綺麗に終わった作品ですので続編はなくても良いかと思いますが、ただ、残念なことに作者様が2020年の1月に、Twitterで漫画から離れるというツイートをされたため、今後イラスト集の発売など、新たな展開は絶望的かなといったところです……。

とても好きな漫画家さんでしたので、こちらのブログでもまた機会を見て、いくつか作品を取り上げていく予定です。

 

こちらは新品の紙媒体での入手が難しくなっているため、電子書籍での購入をおすすめします。

今は少し前の漫画も電子書籍で簡単に入手出来るので、良い時代になりましたね。

 

【感想】
今までに読んだ中で、特に好きな漫画です。
私が獏にのめり込んだきっかけの漫画でもあります。
大正時代というだけでも、素敵な響きなのに、真柴先生の絵が、本当に美麗です。

最後のどんでん返しが、毎回毎回大変なことに。
どれも意外性に満ちた話で、飽きないのですが、後味の悪い話も多いので、ハッピーエンド至上の方には厳しいかもしれません。

"獏"という設定自体が、悪夢を食べるという性質故に、ダークな展開になるものが多いのですが、その中でも屈指の鬱展開の多さ。
だからこそ光る、時々挿入されるコメディ回。
コメディの時はとことんふざける、そんな夢喰見聞が好きです!

 

蛭孤もいい性格してますよね。
何だかんだで、ちゃんと最後までお客さんに付き合ってくれますし。
個人的には、一二三も良い味出してて好きでした。


ラストはそれまでの伏線を綺麗に回収されてしまったので、納得せざるをえないです。

ハッピーかバッドで言えばバッドでしょうか。

個人的にはハッピーでも良い気がします。

ハッピーと思った方とは好みが合いそうですね。

ハッピーかバッドかは読む人の感性によるでしょうが、いずれにせよ、あの結末が嫌いな人は、最後までたどり着いた読者には少ないことでしょう。

 

読んだ後で気がつく、あちこちに散りばめられた、伏線の数々。
基本1話完結の中で、少しずつ明かされる蛭孤自身の話が、ラストにつながるのが素晴らしい。

グロ要素もそれなりにあるので、苦手な方は注意。

外伝は、全て読了後に読むのを推奨します。
一部、途中で読んでも分かりにくい部分もありますので……。